進路にまつわるエトセトラ

久しぶりのこのエントリーは、日本の大学院で博士号を取得し息子がアメリカの大学へ学部入学した筆者が、日本人は今後どのような教育の選択肢を子息に与えていくのが良いか、これまでの経験から自分なりの私見を述べたものである。議論をわかりやすくするた…

計画都市をめぐる冒険

久しぶりの投稿になる。 2021年第四四半期は、新たな国であるバングラディシュでダッカ地下鉄の案件に関わったりしたのだが、いまいちブログを書く気力が湧いてこず、4ヶ月ぶりの更新となってしまった。 私のこれまでの49年間の人生を振り返ってみると、三つ…

全米大学ランキング考察

息子の大学選びについては我々両親は一切関与せず彼自身が受験校を選び合格校の中から自分で進学先を選択したのであるが、息子が進学先を決めたあと私の生来のリサーチ気質に火が付き、アメリカの大学ってどうなっているんだろう、と気になってそこから色々…

ピンチはチャンス

やもすると使い古されて陳腐に聞こえてしまいがちなこの言葉であるが、今回のエントリーではこの言葉を下敷きに私の18年間の子育て奮闘史について語りたい。 私の妻はフィリピン出身であり、2003年に生まれた息子は日本人とフィリピン人のハーフということに…

お久しぶりでございます。

約2年半ぶりのブログ更新となります。その間、いろんな事がありました。 まずは、9年間、事業譲渡元の組織を含めると14年弱お世話になった会社を退職し、2021年4月に独立をしました。自分の会社設立ということになります。それに合わせてブログタイトルもキ…

今日ぐらいは感傷に浸らせてくれ

2019年3月24日NHK6時のニュースより 2019年3月24日。ジャカルタMRT南北線、ジョコ大統領を迎えて無事に開通式典を行うことが出来た。鉄道車両や信号などのシステム、土木工事等日本の企業が納めた史上初めての「オールジャパン」による海外での都市鉄道の開…

私が10階を選んだ理由

私が2012年にホーチミン市にてマンションを購入した経緯は過去2度のエントリ(1,2)に記したとおりであるが、今住んでいるマンションの部屋は10階に位置している。複数選択肢があった中、購入時にあえてこの階を選んだのであるが、その理由を今回のエン…

記憶の線香花火

ブログをお読みの皆さんにも似たような体験があるか定かではないが、私には、これまで住んだことや行ったことがある特定の街並みの記憶が突然強烈にフラッシュバックすることがたまにある。京都・福知山での小学校や中学、高校での登下校の街並みが出てくる…

インドネシアのGitu、フィリピンのDiba、ベトナムのTroi oi

2018年最後のこのエントリーでは、言語学や比較文化学の専門家でも何でもない私が、主にインドネシア、フィリピン、ベトナムの3つの国に住んでみて気がついた彼らの口癖と、その背景にあるのではないかと感じられる文化や風習について触れたいと思う。 イン…

計画・実施と内科・外科

大きく整理すると、開発コンサルとして最初に入社した会社は交通計画が得意であり、今いる会社は鉄道整備の実施(のコンサル)が出来る企業である。どちらが尊いか、という話ではなくて、同じ交通インフラを対象としていてもそのアプローチは全く異なる、と…

フィリピンと私。

このブログでの過去の投稿を読み直してみると、これまでフィリピンについては一切触れていないことに改めて気付いた。意図的にそうしたわけではないのだが、結果的にそうなっているので、そういう心理でもあったのであろう。今回のエントリーでは、ベトナム…

ベトナムマンション購入顛末記(2)

(前回の続き) 「こちらの瑕疵で契約を破棄するものなので、契約で記載されている条項に従って、お預かりしたお金をお戻し、かつ別途違約金を支払います」というのが先方のディベロッパーの言い分。そして言われるがままに「契約破棄合意書」にサインをさせ…

ベトナムマンション購入顛末記(1)

久しぶりのブログ更新となってしまった。今回のエントリは飲み会での鉄板ネタなのだが、備忘録としてここに記載する事にする。 もう8年前の話になる。2010年。ホーチミンに正式に駐在となって3年目のことだ。今でもそうだが、当時も日本で預金をしても利子は…

計画と経営

私は大学時代「社会工学」という学問を専攻していた。簡単に言うと社会事象を工学的に研究する学問であり、大きく、計量経済系、OR系、そして土木・建築系である都市計画の3つに分かれる。大学院までの自分をカテゴライズすると、「社会工学」→「都市計画」…

ジャカルタ-バンドン高速鉄道に関する私見

話題が話題なので最初にお断りを。これは私の個人ブログで、以下の意見は私が属している組織を代表しているわけではありません。認識不足含めた文章にかかる全責任は属する組織ではなく私にあります。 最近、インフラ、特に鉄道と国際政治の周辺が騒がしい。…

ハノイとホーチミン市における街づくり一考察

「ハノイとホーチミン市、どちらが好きですか?」 よく聞かれて、よく返答に窮する質問である。ホーチミン市では余り聞かれないが、ハノイで自分はホーチミン市に住んでいると言うと、大抵この質問を受け、そして大抵困る。もちろん素直には答えられず、「両…

多様性の中の統一

「多様性の中の統一(BHINNEKA TUNGGAL IKA)」。これはインドネシアの国是である。約18,000の島々、500以上の言語、イスラムを始めとする様々な宗教。これら全ての一つにまとめるにはその多様性を認めた上での統一を目指さないといけない。極めて理にかなっ…

HとH、HとS。

前回の投稿に対する皆様のスルーっぷりが自分的にある程度堪えており、年末のバタバタもあって今月の投稿はスキップしようと弱腰になっていたが、こういうのは一度甘えてサボってしまうと二度と軌道に戻らない、と、一念発起してこうしてこの文章を書いてい…

私のアイドル

これまで3回に渡ってここでブログを書いてきた。改めて読み返すとどうも全て肩に力が入った堅苦しい内容のものになっている。元来私はもう少しおちゃらけた人間である。今回は少し趣向を変えて、表題の件について論じていきたい。 これまでの人生において、…

ホーチミン都市鉄道1号線に込めた思い(1)

関係者全員の力でこの案件を実施までこぎつけることができたのは、その内の1人である私の30代におけるキャリアの最大の成果だと自負している。もちろん課題はある。まだ開業していない。昨今はベトナム政府からの支払いがかなり遅延して大きな問題となって…

私は何をしているのか

当初、数ヶ月に一度の更新をこのブログでは想定していたが、某氏の強い希望もあり月に一度のアップを目処としようと改めるようになった。そして、前回たまたま月最終日に上げたため、今後も出来る限り同時期に投稿したいと思う。 このブログは、いまのところ…

ブログと私。

思えば「ブログ」というものに取り組むのは初めてかもしれない。 コンピュータとの付き合いは短くない。2歳上の兄が中学に上がるときに初めて両親から買ってもらったPCがNECのPC-8001 Mark IIだったと記憶している。兄は夢中になってこのコンピュータに日々…